やっと「鬼滅の刃」最終巻を読了して、今回この記事を書こうと思います。
結論を言うと
今まで読んできた漫画の中で断トツで名作でした。
もう世の中が周知のとおりで、わざわざ僕が記事を書くまでもない事は重々承知ですが
書かせてもらいます。
だって、超好きなんでっっ!!
「鬼滅の刃」との出会い
え?お前が「鬼滅」をどこで知ったかなんて全然、興味ない?
そうですか、、、じゃあ、お話ししますね(全く無視)
昨年、コロナの影響で家にいる時間が増えて、奥さんの勧めで家族で
映画「ハリーポッター」を観たのが最初のきっかけでした。
鬼なんて出てこないし、剣もない。むしろ魔法でバンバン打ち合う内容でした。
内容は全然どうでも良くて、めちゃくちゃおもしろかったんです。
家族全員でドハマり。一気に全作DVDで観て、原作も読み出し、最終原書で読もうと
なって英語勉強始めるみたいなwww
これ第一作目が出たの20年前なんですよね。
作品の名前くらいは知っていたし、おもしろいっていう噂は聞いていました。
でも、手を出さなかった。何故か?
流行っていたから。
なんとも不思議な理由と思われるかもしれませんが
僕は、流行に乗るのがカッコ悪いと感じる変な奴なんです。
また、皆が良いっていうから他の皆も良いって言うてるだけなんでしょ?日本人の特性だ。
日本人でありながら日本人の特性に必死に抗おうとしていました。
しかし、どうでしょう。実際に観てみたら大感動!
気付いたらUSJで5000円の杖を買って魔法の練習していました。
その時に感じたんです。僕は20年間何をしていたのだ?
こんなにおもしろい作品を自分のしょうもないポリシーのせいで
見逃していたなんて!!超アホ!!
そうか、皆が良いっていうのは、本当に良いから評価されてるんだなと思ったんです。
たしかに、中には違うものもあるかもしれないし、皆は良いと言っても
自分には合わない事もあるかもしれない。でも、食わず嫌いだと感動の体験をする
可能性を自分からなくしてしまう。
じゃあ、一回流行に乗ってみてダメなら捨てちゃおうってなったんです。
「ハリーポッター」を全作品を観終えて、そしたら次何観ようかなと探していたら
そこで、もうすでに世間を騒がしていた「鬼滅の刃」に手を出したのです。
アニメから入って、、、
時期的には、連載が終了したくらいの時。
動画配信サービスでアニメが第1シーズンを全話視聴できたので
さっそく1話を観てみることに。
いや、めちゃくちゃグロいやん。これが小学生の中で流行ってるの?っていうのが
第一印象でした。そうそう「進撃の巨人」の1話と同じショックでしたね(大好き!)
そして、2話3話と観ていったのですが、もう何十年ぶりかにアニメを観るので
最初はちょっとしんどかったです。ノリとかが着いていけない(老いを感じました)
でも、選別試験(※ネタばれになるので内容は触れない)のあたりから
グッと引き込まれました。そこからは、奥さんも子供も加わって全員で観ました。
もうアニメは時間がかかるってせっかちな奥さんが原作読もうと漫画をレンタルして
ほぼ全巻そろえて読みました。でも、さすが社会現象になっているだけに
まだまだ田舎の方の地元でも手に入らない巻があってそこはアニメで観るなどして
まだ発売されていない最終巻を残して読み切りました。
漫画で号泣
アラフォー男子なんで、人前で泣いちゃいけません世代(そんなんあるんか?)
の僕ですが、ドラマや映画ではめっちゃ泣きます。でも漫画で泣くってほとんどありませんでした。
ちょうど映画になった「無限列車編」あたりから(原作7巻8巻)泣かない巻はなくなります。
簡単に言うと鬼退治の話なんですが、少年漫画の王道である「善」と「悪」がハッキリしていて
「善」の主人公側と「悪」の鬼側の戦いが基本ベースの作品。でも、これメインじゃないと
感じるました。普通、少年漫画やヒーローもんってバトルがメインデッシュだと思うんです。
けど、この作品を読んでたしかにど派手に戦ってるけど、強烈なメッセージが含まれている。
しかも、時には柔らかい表現であったり自然な形で伝わってくる。
そこが、この作品の良さなんじゃなかなと思います。
「さあーさあー、今から泣かせる話するよー」っていうドヤ感が全く感じない。
バッチリ、エンタメでもあって楽しめるのに、考えさせられる場面もある。
しかもドキュメンタリーみたいに説教臭くない(個人の感想です)
僕の中で今まで読んだことのない漫画であるのは間違いなかったです。
表と裏の表現。どちらの可能性もあるというメッセージ
この作品は敵味方どっちもないよね、っていう曖昧な形ではありません。
でも、敵味方どちらにもなる可能性は僕たちにはあると感じます。
「鬼」は元々人間で、祖の鬼「無惨」の手によって「鬼」にされる。
色んなパターンがあるが、基本的には「鬼」になることを決めてなっている。
その背景に現実社会にある苦しみ、悩みの中でもがいていた様子が描かれている。
その部分は、誰しも思い当たるところがあるんじゃないかと思っている。
他者への嫉妬心、構ってほしい心、自暴自棄になってすべてを投げ出してしまった心。
「鬼」になってしまった背景に共感が出来た時、読者は敵を他人事に捉えられなくなる。
「鬼」になると人間の時の記憶が無くなる。死の直前、人間の時の記憶が思い出され
誰もが「鬼」になったことに疲れ切って、最後は絡まり合った感情がほどけて死んでいく。
人間に弱さに支配された時「鬼」になってしまう。その可能性は誰もが持っている。
こうならない方法があったら、別の人生があったんだろうなと「鬼」に想いを寄せてしまう。
この漫画が他にないものを感じる部分だと思う。
これって、歳を取れば取るほど共感する部分が多くなると思っていて、逆に子供には理解できない
所もあるかもしれない。でも一緒に観ているお父さん、お母さんはめちゃくちゃ
共感できるかもしれない。こうして大人も巻き込まれてしまう作品なんです。
映画「無限列車編」を観に行った時の話。
いつもガラガラな地元の映画館が、いつもよりは人が入っていて当然親子連れが多くいた。
映画が始まって、しばらくするとそこらじゅうで鼻をすする音が聞こえる。
その音に反応する横の子供たち。そう、一緒に観ているお父さんが子供より先に泣いちゃって
たのだ。中には冒頭の方で泣いてるお父さんがいて「いや、まだ泣くところちゃうやろ!」
って思いました。それだけです。
不可能への挑戦
「鬼」はある条件が揃わないと死なない設定です。腕切っても生えたり、寿命なかったり
ある面不死身な存在として描かれます。※太陽の光には勝てない。当たると燃えちゃう。
反対に主人公側人間は老いるし、失ったものは戻ってこない。そうした対比があって
あいまみえない関係であり、どちらかという人間側が分が悪い印象です。
でも、人間は一個人レベルでみると命には限りがあり、鬼の様に切れたしまった手や足は
再生しない。でも、「想い」を他者に繋ぐことで鬼の不死に対抗していきます。
不可能と思われるものへ何度も何度も挑戦していく主人公たち。
途上で朽ち果てていく仲間もいる。それでも、その死を無駄にしないために
前へ前へと進む姿にたくさんの勇気をもらった。
人間関係なんて煩わしい。一人で生きていく。熱いのウザい。
これが、世の中の風潮だと思っていた。でも、この真逆の作品が世の中では受け入れられた。
結局、皆好きなんじゃん!こういう熱いの!って思いました。
最終巻を読み終えて
そして、やっとこさ最終巻を手に入れて読みました。
読後感も含めてこんなに丁寧な作品、他にないと心底思いました。
詳しくはネタバレになるので書けませんが、これ普通もうここで終わって良いよね?って
所があったんですが、最後の最後まで丁寧に書かれていて全員を抱きかかえて終わります。
※これくらいは許してください!
結構ラスト部分で色んな事情があるのか、どれほど良い作品でも最後の最後、物足りなさを
感じる事は多々あって、大好きなハリーポッターも映画はそうでした。
しかし、この「鬼滅の刃」は最後の最後まで読んで「ごちそうさまでした!」
と手を合わせて本を閉じれました。
ここまで完璧に幕が下りたら、ロスにすらならない。
完全に勝ち逃げしてほしい。
まとめ
ここまでヒットするとアンチもわんさか出てくるんでしょうね。
そうしたレビューやYouTub動画にあたる時があります。
表現の自由の元、大いに論じていけば良いと思います。でも、まだ今のところ
的を得た批判には出会えていません。そして、説得力、影響力のある批判も見た事がない。
たぶん、一部分を取り上げて上げ足をとって批判できる作品ではないのだと思います。
それくらい丁寧に描かれており、生半可な意気込みでは倒せないだろうな。
僕もそうでしたが、流行が苦手な人にも、きっかけは何でも良いので触れれる機会があれば
良いなと思っています。迷ってるんだったら、即よ観始めましょう(観始めましょう)
絶対、損はしませんよ!
だって、たとえ自分に合わなかったら、世の中でこんなに流行ってるけど俺はダメだねって
いう答えが見つかりますから。僕みたい数十年後に、もっと早く観ておけば良かったって
後悔しなくて済みます。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。